パラミタミュージアム

三重県の北部、知る人ぞ知る名美術館、パラミタミュージアムに行ってきました。当時開催されていたのは、有元利夫展。昭和の時代のたったの10年という短い期間に画壇で活躍した早逝の画家です。ヨーロッパのフレスコ画と日本の古画との融合を試みた彼の作品には、なんとも言えない不思議な世界観が表現されています。そして、実際に絵画を見て感じたこと。それは、しんと静まりかえった展示室の中で彼の作品と向かい合った時、不思議と音楽が聞こえてくるような感覚に陥るのでした。というのも、クラシック、特にバロック音楽に傾倒した有元利夫は、音楽に関する版画などの作品を数多く残しています。彼の作品はどれも、絵画的な”空間”と同時に音楽的な”時間”を感じる、そんな気がしました。また、実際に作品を見てよかったことは、作品のマチエール、すなわち画肌です。彼は時には旅先で拾った石や貝殻をすりつぶしたもので絵の具を自作するなど、画面の表情に対するこだわりが強くありました。作品の表面に現れる凹凸、幾重にも重ねられた色彩の跡に、彼の作品にかける思いを感じずにはいられません。10年という短い期間に作られた作品たちに宿る彼の思い、そしてそこから聞こえてくる、音楽。ぜひ、有元利夫の絵画を実物を前にして感じて欲しいなと思います。
K.I (30代女性)


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