市川市文学ミュージアム

市川市と深い縁があった詩人・宗左近の没後10年に際して、その足跡を振り返るために今回の展示会が開かれました。宗左近は若い頃にニヒリズムに傾倒して死を望む一方、東京大空襲で母親を見殺しにして生き延びてしまいます。今回の展示会では、この宗左近の壮絶な体験を切り口にして、宗左近の詩を振り返って見ようという意図があるようです。詩の展示は極めて地味なものになりがちですが、宗左近の体験を踏まえると、彼の詩の世界がにわかに立ち上がってきます。文字通り、宗左近の文学は自分の戦争体験と分かちがたく結び付いているのです。今回の展示では宗左近の詩だけではなく、縄文土器の収集家としての側面も紹介されています。宗左近という男が「過去」とどのように向き合ったのか。私たちに示唆するところの大きい展示会でした。
Written by 彦八 ( 20代男性 )掲載:2016/8


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