千葉市美術館 展覧会 イベント

観覧料が1,200円で公設の美術館にしてはやや高めでした。でもそれだけの金額を支払うだけの価値がある、とても充実した展示内容だったといえます。ボストン美術館が所蔵する鈴木春信の作品を中心に、春信より前の時代に活躍した絵師、春信の没後に活躍した絵師の作品も併せて展示していました。さらに「江戸美術の革命―春信の時代」と題した同時開催の企画では、春信と同時代に浮世絵以外のジャンルで活躍した作家の作品が多数そろっていました。活躍した時期が1760年代頃と短く、現存する作品が少ないうえに生涯についても不明な点が多い鈴木春信を、多彩な展示作品を通じて紹介しようという、主催者側の意欲が感じられます。
春信の作品の全体的な印象は、穏やかな感じです。親子の日常を描いた作品や、若い男女のやり取りを描いた作品は、見ているだけで穏やかな気持ちになれます。同時に、絵暦で年月を表す文字を着物や帯の柄で表現したり、空摺(絵具を用いず、刷るときの圧力だけで紙面に凹凸を表現する技法)を巧みに使って着物の文様や雲などを表現したりするところに、細やかな演出が表れているように思いました。
春信より前、すなわち錦絵が誕生する前の時代の作品は、色味を抑えているためどこかレトロな感じがしました。その一方で勝川春章や北尾重政、喜多川歌麿など春信の没後に活躍した絵師の作品は、色使いが鮮やかで遠近感もあり、作風がより進化して洗練されたことがうかがえます。

 

Lisa Aoki Oct 2017


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