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児童文学だけにとどまらない一面を見た 「没後10年 石井桃子展 ―本を読むよろこび―」

 

児童文学に多くの功績を残した石井桃子の生涯を、翻訳や編集にかかわった本や自筆の手紙、写真などからたどれるようになっている展覧会です。
まず驚かされたのは、自分の知っている場所が順路の最初でたくさん出てきたことです。石井桃子は埼玉県浦和(現・さいたま市)の出身で、現在の旧中山道沿いに生家があったそうです。生家のあった場所の近くは車で通ったことがあり、通っていた学校の場所も知っています。そんなわけで、石井桃子が子供の頃の思い出を描いた『幼ものがたり』を、ぜひとも読んでみたいと思いました。
さてこの展覧会を通じて、児童文学だけにとどまらない石井桃子の一面を見たような気がしました。
展示では一度翻訳した物語を、時代の変化に合うように改訳したことについてふれていて、そこに翻訳者の努力や、言葉のプロとしての自覚といったものを感じました。また展示されていた手紙からも、時代とともに言葉使いが変わっていった様子がわかります。戦前に書かれた手紙は言葉使いが古めかしい感じでした。
それから石井桃子は、1980年頃から自伝など児童文学以外の作品を発表していて、展示品や解説から新たな境地のようなものがうかがえました。1995年に読売文学賞を受賞した『幻の赤い実』なども読んでみたいです。

 

Lisa Aoki Sep 2018


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