細見美術館

私はこの展覧会に行くまで、杉浦非水を全く知りませんでした。名前から日本画家か?と推測していた程度でしたが、「水に非ず」という何か強い意志を思わせる名に惹かれ、あまり予備知識を入れずに非水展まで足を運ぶことにしました。以前より細見美術館には何度か赴いたことはありますが、これまでの倍は展示室が広く感じるほどの充実した内容でした。なにせ、作品数が膨大でした。300点近くはあったのではないでしょうか。展覧会パンフレットに日本最初のグラフィックデザイナーと題されている通り、杉浦非水は明治期から昭和までを代表するデザイナーでした。その夥しいほどの業績の一端が、今回の展示で伺い知ることが出来ます。初期の作品はアール・ヌーヴォーを意識した曲線が流麗な女性や植物が特徴的ですが、ヨーロッパ渡航を経てすぐにアール・デコを取り入れたり、時流を柔軟に取り入れていたようです。展覧会の殆どは杉浦非水が手がけた三越のポスター・冊子、書籍や雑誌の表紙で構成されていましたが、私としてはいくつか出品されていた植物の写生図が最も印象的でした。杉浦非水は現在の東京芸大で日本画を学んだのちデザイナーの道を歩んだそうで、まさに写生図は日本画の観察眼で自然の形態を捉えようとする姿勢と、画面上に植物を構成するデザイナーとしての気質が発揮されていました。展示室にはあまり人がおらず、ゆっくり鑑賞出来るのは望ましいことですが、勿体無いとも思わせる熱量の展示です。杉浦非水は愛媛県松山の出身で、今回出品されている作品のほぼ全てが愛媛県立美術館の所蔵品のようです。京都で作品が一同に見られるのは最初で最後かも知れないと思うと、もう一度行かずにはいられません。
namu (20代女性) 2017/4 掲載


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