蕨市立歴史民俗資料館

第二次大戦中の女性の活動や暮らしに焦点を当てた企画で、婦人団体の写真、千人針、慰問袋、国民服、当時の調理器具などが、資料館2階の展示室に展示されていました。限られた展示スペース、限られた点数の展示品にもかかわらず、戦時中の庶民の暮らしが展示室いっぱいに詰まっているような感じがしました。小ぢんまりとしていながらも、中身の濃い企画展だったといえます。
慰問袋や千人針は、小説やテレビドラマ、ドキュメンタリーなどの世界で存在だけは知っていましたが、実物を見たのは今回が初めてです。また戦時中は軍需のために金属が供出されたことから、展示されていた調理器具は陶磁器で作られたものが多かったです。貝殻と木製の柄を組み合わせた玉じゃくし、といったものもありました。こうした展示品は、見ているだけでものすごいインパクトを覚えました。歴史の教科書を読んだだけではわからないものです。
特に印象に残ったのは、戦時中の食事に関するパネルです。パネルは2枚あり、1枚におからを使った煮物や揚げ物などのレシピが紹介されていました。もう1枚には食べ物を無駄なく使うことを奨励する内容で、野菜の皮、魚の骨や内臓などを捨てずに食べる、卵の殻を細かく砕いてカルシウムを補給する、といったことが書かれていました、
読んでいると、乏しい食料を最大限有効に活用しようという努力がよくわかります。他方で現代とは味付けが違うような感じがしました。栄養や安全の面からみて疑問を感じる部分もないわけではありませんでした。いずれにしても、戦時中の逼迫した状況がパネルからよく伝わります。
さて資料館1階のエントランスホールには、蕨市の歴史や風景、年中行事などを題材とした詩画集が展示されていました。2階の展示を見た後に、素朴な味わいのある詩と切り絵に触れると、企画展の衝撃がやわらいで心がなごみます。

 

By Lisa Aoki Sep 2016


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