江戸下町伝統工芸館

浅草のひさご通りという、アーケード商店街の中にある小さな工芸館。うっかりすると通り過ぎてしまいそうな小ささではありますが、館内は近代的で、1階に実演場。2階にはこちらの工芸館で実演された工芸師さん達の作品が並んでいます(完璧に見惚れます)。自分が訪れたときは江戸指物師の渡邊さんが指物(タンス)つくりの実演をしていらっしゃいました。こちらの渡邊さん。少し前にテレビに出演されていて、たまたまそれを見ていた自分にとって非常に幸運なことでした。箪笥といえば、京指物、会津箪笥など目にも楽しいものが多い中、江戸指物は外見は木目のみシンプルさながら、見えない部分で遊ぶという、江戸っ子の粋が詰まったなんとも遊び心のある家具で、作者の渡邊さんとお話しながら指物が出来上がる工程を見、「今はノミを使って何をやっているのか」等を丁寧に教えて頂くのも非常に楽しいものでした。ふと気づけば周囲にはたくさんの見物客の方々がいて、その場で注文を入れる方もチラホラ。今は少なくなってしまった江戸工芸師の方とふれあい、小さな質問ひとつひとつにも丁寧に答えてもらえる実演はなかなかお目にかかれるものではありません。ともすればいい歳をした自分ですら「指物師になれたら・・・・・・」などと憧れてしまうような空間がここにはあります。実演は隔週で変わりますが、工芸館の入場料自体が無料のため、本当に無料で気軽に江戸工芸に触れることが出来る貴重なイベントであることは間違いありません。お子様だけではなく、大人の皆様にも是非見て頂きたいイベントのひとつです。
By 月草30代女性
2015/5掲載