国立西洋美術館

内容は難しかったが、作風の変化がわかった「ル・コルビュジエ 絵画から建築へ――ピュリスムの時代」

 

正直いって、建築に関する知識のない自分にとっては内容が難しかったです。模型や映像を見ても、何を表しているのかがさっぱりわからず、漫然と目にするだけに終わってしまいます。解説を読んでも内容が頭の中にスッと入ってきません。絵画と建築とインテリアデザインがどのように結びついているのかもよくわからないままでした。
とはいっても、第一次大戦直後から1930年代前半までの十数年の間に、ル・コルビュジエが作風を大きく変化させていることは、素人目にもわかりました。第一次大戦の直後、ピュリスムの運動を始めた頃の絵画は、無機的で硬い感じがありました。きちんとした形の図形が、何らかの規則に従って並んでいるような感じなのです。ところがキュビズムに接した後、1920年代前半頃の作品には柔らかさが見られるようになり、さらに1920年代後半以降の作品になると有機的で動きも感じられるようになりました。展覧会は全体的に難しかったですが、こうした変化は見ていて面白かったです。
Lisa Aoki May 2019

 

企画趣旨は難しかったが、素人に伝わるものもあった 「ルーベンス展 ―バロックの誕生」

 

会期前に前売券を買っておきながら、開始から2か月以上たった年末になってようやく行きました。年末の上野はいつにもまして大勢の人でにぎわっていて、美術館もそれなりに混んでいましたが、それでも作品を見たという感触はありました。
作品の全体的な印象を端的に表せば、肉感的といえるでしょう。人物の表情や動きを活き活きととらえています。ところどころに展示されていた古代彫刻と見比べてみることで、ルーベンスが彫刻から学んだことを作品に生かしている様子がわかります。
特に印象に残ったのは「キリスト哀悼」と題した2点の作品です。血が通っていないキリストの姿と、周囲の人物とのコントラストがものすごく強烈でした。キリスト教に疎い私でも、伝わってくる何かを感じます。
ところでこの展覧会の企画趣旨は、ルーベンスとイタリア・バロック美術との関係を明らかにすることのようですが、素人には漠然としていて難しすぎました。解説で「イタリア美術の影響を受けた」と書かれていても、今一つピンとこなかったのが正直なところです。
他方でルーベンスの作品と後の作家の作品を見比べて、ルーベンスが与えた影響がわかるように展示していたところはよかったです。
Lisa Aoki Dec 2018

 

ミケランジェロの作品は面白かったが 「ミケランジェロと理想の身体」

 

この展覧会のハイライトは、何といってもミケランジェロの「ダヴィデ=アポロ」と「若き洗礼者ヨハネ」でしょう。
「ダヴィデ=アポロ」は作品の一部が未完だったためにダヴィデともアポロともつかなくなり、見る人の想像力をかき立てるような不思議な魅力がありました。未完の部分に彫られるはずだったのはダヴィデの投石器だったのか、それともアポロの矢筒だったのか…答えは永遠の謎です。また彫像の男性の表情も、不思議なものがあります。解説は「メランコリック」と表現していましたが、私はむしろ表情から無の境地といったものを感じました。
「若き洗礼者ヨハネ」の見どころのひとつは、修復技術の高さです。20世紀前半の内戦によって破壊され、もともとあった部分が半分以下だった状態から彫像を再現したことは、実に見事だとしか言いようがありません。
解説も充実していて、「ダヴィデ=アポロ」が未完に終わった理由や、ミケランジェロと政治のかかわり、両作品の所有にまつわるエピソードなどは興味深いものがありました。
さてミケランジェロの作品は順路の後半にあったので、そこにたどり着くまでに他の多くの作品をやや混雑する中で見ることになりました。そのためか、ようやくハイライトを楽しむ頃にはそれなりに疲れていて、作品を全て見終わったときには疲労困憊でした。全体を振り返ってみると、ミケランジェロの作品は面白かった一方で、とにかく疲れる展覧会だったといえそうです。
Lisa Aoki Sep 2018

 

作品を鑑賞する以上に、背景事情を勉強させていただきました 「プラド美術館展 ベラスケスと絵画の栄光」

 

スペインのプラド美術館が所蔵する17世紀の絵画を中心とした展覧会です。サブタイトルには「ベラスケス」とあり、ベラスケスの作品が本邦史上最大の7点出品されるのがこの展覧会の目玉といえます。とはいえ全体はベラスケスにフォーカスするというよりも、むしろ17世紀の王室のコレクションを、当時の思想的背景を踏まえたうえで展示している、といった感じでした。解説がとても充実していて、作品を鑑賞する以上に、17世紀の絵画についての背景事情を勉強させていただいたように思います。
展示作品は王室コレクションだったというだけあって、全体的に上品な感じでした。人物を描いた作品が多かったです。その中で特にインパクトがあったのは、ヤン・ブリューゲル(父)らによる「視覚と嗅覚」と、デニス・ファン・アルスロート「ブリュッセルのオメガングもしくはオウムの祝祭:職業組合の行列」です。どちらも大画面にたくさんの人や物を描いていて、構図がユニークかつ奇抜でした。
Lisa Aoki May 2018

 


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