東京大学総合研究博物館

私は学生の頃、学芸員の資格を取るために大学の構内にある博物館で展覧会の企画に携わったことがある。テーマは「真と贋のはざま」だった。現代では美術の作品は一つしかないと思われているが、古来より一つしかない希少な美術品を広く頒布・展示するために複製を作ることが盛んに行われてきた。それが現代人にとっては本物の下にある模写や贋作にすぎず、それよりも価値が劣るものとして扱われている。この展覧会はそのような価値観を相対化する試みであり、様々な模写や贋作が展示された。私は雑用を行ったほか、来場したお客さんに展示品の解説も行い、博物館の運営のノウハウを少しは学び、それを通じて博物館は単に展示品が収まった器ではないことを実感した。
By 岡部麒仙30代男性
2015/11