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どうしても好きになれない

岡崎京子が活躍していた1980年代後半〜90年代前半頃、私は主に『ビッグコミックスピリッツ』に掲載されている漫画を愛読していました。特に柴門ふみの「同・級・生」「東京ラブストーリー」「あすなろ白書」が大好きでした。他の漫画家の作品も、もちろん読みました。
でも、岡崎京子の作品はどうしても好きになれませんでした。まず、絵にクセがあります。太い直線を何本も並べ立てただけのような質感と、表情に乏しい人物は、見ていてなんとなく疲れるのです。それから、柴門ふみの作品に見られるような人間関係の機微もなく、中尊寺ゆつこの作品のようにカラッと笑えるものもなく、変に屈折したものが感じられるだけです。そうしたクセとか屈折の度合いに、私はなじめませんでした。

 

改めて見直した

2015年、展覧会が開かれることを知り、改めて岡崎京子の作品を見てみようと思いました。
実際に世田谷文学館に足を運んでみると、3月にNHK「おはよう日本」で取り上げられた影響もあったのか、大勢の人でごった返していました。私はさっと眺めるだけのつもりでいましたが、人が多すぎたので、結局ゆっくり、じっくり見ることになりました。
展覧会を見て、「岡崎京子は1980年代の東京を、ある視点から見事に描写しているなあ」と感心させられました。この描写ぶりは、手塚治虫「アドルフに告ぐ」(戦時中の神戸の描写)、美水かがみ「らき☆すた」(1990年代以降の埼玉県春日部市周辺をモデルとした街の描写)に匹敵するものがあると、個人的に思います。その時代における街の雰囲気が、作品にそのまま表れている感じなのです。
とはいえ、それで岡崎京子の作品が好きになれたというわけではありませんが…。「好きではないけれど、見直すところがあった」といったところです。

 

By PingPongBooks


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