板橋区立美術館

戦前から戦後にかけて東京・池袋で作られた芸術家のコミュニティ「池袋モンパルナス」と、戦後に沖縄で作られた「ニシムイ美術村」で活動した画家たちの作品を一堂に集めた企画展です。池袋モンパルナスとニシムイ美術村のつながりは、戦前・戦中の学生時代を池袋で過ごした沖縄出身の画家たちが、戦後に故郷の沖縄でニシムイ美術村を立ち上げたことによるものです。
展覧会全体の印象は、素人には難しい感じがありました。背景事情がやや複雑で、前衛的な作品が割と多く展示されていたからなのでしょう。
とはいえ見どころはありました。最も印象に残った作品は、丸木位里・俊夫妻による「沖縄の図」8連作のうち「自然壕『ガマ』」です。空襲のためにやむなく環境の悪い防空壕へ避難しなければならない大変さが如実に表れていました。前衛的な表現の作品が多い中で、この作品はひときわ異彩を放っています。
また戦後沖縄で活動した画家の作品は、沖縄の風土や空気、そして米軍統治下の社会情勢がそのまま伝わってくるような感じがしました。
さて板橋区立美術館は、この企画展の終了後に改修工事に入り、2019年7月にリニューアルオープンの予定です。車で気軽に行ける美術館がしばらく使えなくなるのは残念ですが、他方で施設の老朽化も気になっていたところです。改修後に気持ちよく利用できる美術館になることを期待したいと思います。

 

Lisa Aoki Mar 2018


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