畠山記念館

新収蔵にちなんで展示作品が70点と多く、過去に畠山記念館で催された展覧会よりも充実した内容になっていました。立方体の形をした朝鮮唐津模水指、細い竹を縦に何本も並べて桶の形に仕立てた桶水指、赤くて真ん丸の棗(銘「日の丸」)、備え付けの包丁で豆腐を切り分けて客に振る舞ったと思われる豆腐茶箱といった、個性的な意匠の茶道具からは、近代数寄者の心意気がうかがえます。また益田鈍翁の書は無地に近いシンプルな表具を使っているので文字が引き立ち、作者のメッセージがよりダイレクトに伝わるように感じました。
今回の企画のメインは「柿の蔕(へた)茶碗 銘 毘沙門堂」(重要文化財)でしょう。畠山即翁は1937(昭和12)年に開いた茶会で毘沙門堂茶碗を使って益田鈍翁をもてなしましたが、この茶碗はかつて鈍翁が購入を断念したものです。鈍翁はその時の心境を「毘沙門堂狂歌」という書に表して横井夜雨に贈りますが、やがて書は夜雨から即翁に伝わりました。やや複雑かもしれませんが、こうしたエピソードを踏まえておくと、より深い次元で作品を鑑賞できると思います。毘沙門堂茶碗や毘沙門堂狂歌を見ていると、3名の茶人の交流ぶりが伝わってくるような気がしました。

 

Lisa Aoki Nov 2017


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個性的な茶道具と、3名の茶人のエピソードが面白い 「新収蔵記念 近代数寄者の交遊録―益田鈍翁・横井夜雨・畠山即翁」 畠山記念館(東京都港区)関連ページ

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