国立公文書館・展覧会・イベント

この企画展は、「T.百人一首の世界」「U.百人一首を読む」「V.広がる百人一首」「W.百人一首の謎」の4部から成り、百人一首が成立以来多くの人々に親しまれ、研究が進められてきたことが全体を通してわかるような構成になっていました。
特に面白かったのは、「V.広がる百人一首」で紹介された異種百人一首です。江戸の名所、あるいは文明開化をパロディ化した百人一首などは、現代の「サラリーマン川柳」に通じる面白さがありました。現代の世相を反映した異種百人一首を作るとどんな風に仕上がるのかは想像がつきませんが…。パロディがたくさん作られたのは、百人一首が多くの人に親しまれ、教養やたしなみとしても位置付けられていたことの裏返しといえるでしょう。
一方「W.百人一首の謎」は、とにかく難しかったです。「百人一首はこのように成立した」とはっきり断定できる資料がないことと、撰者と考えられている藤原定家についてさまざまな伝説があることが、その理由だと思います。しかしながら、百人一首の成立については伝説や逸話が多くて謎に包まれているからこそ、かえって多くの人に親しまれ、研究が進められてきた、という見方もできます。
さてこの企画展については、展示が見やすく、子供でも読めるように解説の漢字にルビを振っていた点に好感が持てました。学校の夏休みの時期に、一般の人にあまりなじみのない国立公文書館という場所に、多くの人に来てもらおうとする主催者側の努力が感じられます。
Lisa Aoki Sep 2017


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