六本木 森美術館・展覧会・イベント

ASEANが設立して50周年を記念し、東南アジアにおける1980年代以降のアートを紹介する展覧会。国立新美術館と森美術館の2館同時に開催されています。仕事を終えてから美術館に向かったので、森美術館に行ってきました。私は東南アジアの現代アートに触れたことがなかったので、一体どんなアートが広がっていくのか興味津々で会場に向かいました。森美術館では、「発展とその影」「アートとは何か?なぜやるのか?」「瞑想としてのメディア」「歴史との対話」というテーマで作品が紹介されていました。展示室に入った途端に、私は東南アジアに足を踏み入れてしまったような感覚に陥りました。まずはじめの「発展とその影」では、高度経済成長の中、急速な開発が進む中で生じる矛盾についての作品がありました。特に印象的だったのは、リム・ソクチャンリナさんの「国道5号線」です。拡幅工事が沿道の住宅地に与えたものを写真で捉えていました。まふたつになってしまった家が衝撃的でした。発展とは何かを考えさせられました。次のセクションの「アートとは何か?なぜやるのか?」では、アートを地域や社会のために役立てようとするアーティストたちの姿を紹介していました。私が好きだったのはファジャール・アバディ・RDPさんの「ありがとうの拍手」です。乗り合いバスの新しい運用法についての試みです。アートという知恵を使えば、日常を少し変えることができるし、それによって未来をもよりよく変えていけるかもしれないと思いました。アートの力を実感しました。3つめは「瞑想としてのメディア」です。東南アジアでは、外来文化の影響によって地域に普遍性は存在しないそうです。でも生活に根付く神話や信仰があります。ここに焦点を当てたアーティストの作品が並んでいました。心惹かれる作品が多かったですが、特に印象的だったのが、コラクリット・アルナーソンチャイさんの「おかしな名前の人たちが集まった部屋の中で絵を描く3」です。タイの現代社会・家族など文化的な現象を描写しています。作品を体験する会場も面白かったです。家でテレビを見るように気楽に見ていましたが、強いメッセージを感じられました。最後は「歴史と対話」というセクションです。複雑な時代を生きてきた先人たちを見つめ、未来を考えていくアーティストたちの作品が紹介されていました。じっくりと見ていると、胸が詰まってきて涙が出そうになりました。展示室の最後にあるフェリックス・バコロールさんの「荒れそうな空模様」では、1200個もの風鈴が並べられていました。その風鈴の音色を聞いていると、私には時に優しく強く心に響いてきました。色々な状況の中でも、生き抜き、大切な人のために人生を過ごすことが何よりも大切なことなのだなと改めて感じました。のほほんとして毎日を過ごしていた私でしたが、毎日をしっかり生きよ!と喝を入れてもらったような気持ちになって会場を後にしました。東南アジアの現代アートについて知らなかったので、とても素晴らしかったです。テレビや新聞などで知った情報で東南アジアについて知ったつもりになっていましたが、私は本質的な部分は全然知らなかったのだと思いました。時間を見つけて、国立新美術館の展示も見に行ってみたいです。

 

By Hana


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