中村屋サロン美術館

順路の初めの方は解説のパネルが多くて、何を展示するつもりなのか、見どころは何なのかがよくわかりませんでした。でも奥の展示室1に進んで、ようやく展覧会のメインに出会えたような感じです。棟方志功による羊羹の包装紙の原画、會津八一の揮毫による看板、布施信太郎による菓子の包装紙の原画など、中村屋にゆかりの美術作品がこの展覧会の見どころだったといえるでしょう。
展示作品の中では、特に棟方志功の版画が秀逸でした。神秘性を感じさせると同時に、どこか親しみやすさもあり、羊羹のおいしさや高級感を演出するのにふさわしいと思いました。原画は版画と思えないほど精巧に作られている一方で、肉筆画にはない味わいがあります。
展示室1の作品を見た後に、出入り口近くの展示室2に戻って解説を改めて読んでみると、作品を見る前よりも多少は理解が深まったような感じがします。中村屋の創業者にまつわる人物相関はとても複雑で理解が難しいのですが、さまざまな人物との関わりの中で、インドカリーやボルシチなど中村屋の看板メニューが生まれたことがわかってよかったです。
展示を一通り見終わった後は、ピロシキとカリ―パンを買って帰りました。優れた美術作品を見た後は、おいしいものが食べたくなります。

 

 

Lisa Aoki Jan 2017


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