台東区立書道博物館

甲骨文字から楷書に至るまでの作品等を、時系列に展示した展覧会です。まず紀元前13世紀の殷で牛の骨や亀の甲羅に刻まれた甲骨文字を見て、「現代までよく残っていたものだ」と感心させられました。次に西周時代、春秋・戦国時代、秦時代、漢時代と時系列に展示品を見ていくと、隷書が発達した漢時代から現在使われている書体に近くなっているように思いました。
意外だったのは、行書や草書は楷書を崩したものではなく、隷書を素早く書くことのできる書体として発達したという歴史的経緯です。楷書はその後に発達します。ところが子どものころに最初に習う書体は楷書、行書や草書は学校の授業で少しかじる程度、隷書に至っては趣味やデザインの世界になってしまうので、現代人が字を習うプロセスは歴史の流れと全く逆になっています。展示品を見て、本当に意外なことを学ばせていただいたような気がします。
さて書道博物館は中村不折記念館と本館の2館から成っていて、中村不折記念館の方で企画展があり、本館の方で常設展示を行っています。企画展では展示品を面白く拝見させていただきました。他方で本館では古い石碑や青銅器などが数多く展示されていて、書道の歴史や考古学に関心のある人でないと、展示品の鑑賞が難しい感じがしました。
それから、近くにラブホテルがたくさんあるという立地条件も、なかなか悩ましいところといえます。どう考えればよいのやら…。

 

By PingPongBooks 2015/11掲載