東京ステーションギャラリー・展覧会・イベント

3階の展示室では1950年代までの作品が中心、2回の展示室では1960年代以降の作品が中心でした。独特の柔らかい作風を確立する前の作品を3階に展示し、よく知られる作風の作品を2回に展示するという構成はとてもわかりやすかったです。
特に3階の展示では、マリー・ローランサンの影響を受けたことや丸木位里・俊夫妻との交流、社会的な作品を描いていたことなど、あまりよく知られていない作者の一面を取り上げていたところがよかったです。展示品を通じて作品の背景を振り返り、ちひろのイメージを刷新するという企画趣旨にも合致していたと思います。また2階の展示室の中央では、ちひろが描いた絵本を自由に閲覧できるようになっていて、「こんな絵を描いていたのか」と改めて振り返ることができました。
さて、展示品を一通り見終わった後、何ともいえない中途半端な感じが心の中に残りました。展覧会の構成がきちんとしていたにもかかわらず、何かが途切れてしまったような感覚があったのです。たぶんそれは、作者が50代の若さで、おそらく自身の作風を極める前に世を去ってしまったという事実そのものを表しているのではないかと思いました。

 

Lisa Aoki Aug 2018


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