上野の森美術館・展覧会・イベント

この展覧会の一番の見どころは、何といっても「レディ・ジェーン・グレイの処刑」(ドラローシュ作)です。この絵は駅の広告や展覧会のチラシにも載っていて、展覧会の目玉だということは容易に察しがつきますが、実物はとにかく迫力が違います。若き元女王がまさに処刑されようとする直前の緊迫感が、実物からはストレートに伝わってきます。絵の続きは―想像するだけでも恐ろしいです。
このほか印象に残ったのは、「殺人」(セザンヌ作)です。3人のうち1人が凶器を持ち、もう1人がさらにもう1人を押さえつけて殺そうとする―「サント=ヴィクトワール山」で知られるセザンヌがこのような題材を描くこと自体に意外性がありました。
この展覧会は、美術館が急きょ開館時間の延長を決めるほど好評で、私が行ったときは2時間ほど待ってようやく入れました。展示作品は見るからに恐ろしい絵というよりも、解説を読んで背景を知ったうえで恐ろしさを味わうといったものが多かったです。そのために混雑が余計ひどくなって、いつまでたっても前に進めず、人だかりで作品も見えず、解説も読めず、とても落ち着いて作品を鑑賞するような感じではありませんでした。
また「解説の文字が小さくて読みにくい」といった声が会場のあちこちで聞かれました。せめて解説の文字を大きくして遠くからでも読めるようにすれば、大混雑の中でもそれなりに楽しめたのではないかと思います。
全体を振り返ると、「怖い絵展」は見どころが際立っていた半面、良いところがそうでないところによって相殺されてしまったような感じです。個人的には「レディ・ジェーン・グレイの処刑」は一度見ておく価値があると思う一方で、大混雑の中でわざわざ無理しなくても―という見方もあります。

 

Lisa Aoki Nov 2017


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