毛利博物館

梅の花が散り始めた頃、友人たちと山口県は防府市に日帰りで旅行に行きました。目的は毛利博物館に行くこと。我々は歴史の話で盛り上がれる仲でしたから、道中毛利氏の話で大いに盛り上がりました。この目的となった毛利博物館は、元は安芸の国、現在の広島県の大名であった毛利輝元公が関ヶ原の戦いで西軍総大将となり敗北。その後領地を変えられ、当時の長州藩現在の山口県に来てその後毛利家は長州藩主として続いて行くことになりました。そして迎えた明治維新、毛利家はその立役者の一人として華族でも高い位をもらいます。その地位に恥じない邸宅を作ろうと建てられたお屋敷に、毛利家の美術工芸品や歴史資料などが展示されている施設です。…と偶然入館した時に会った学芸員さんに教えていただきました。毛利氏のことはなんとなく知っていたのですが明治維新後にどうなったかやこのお屋敷については知らないことが多くあったので、見て回る前にその知識をくださった学芸員さんには感謝しています。このお屋敷(旧毛利本邸)には小さな装飾がたくさん散りばめられていて、例えば電球周りに金属で作られたレースを模した飾りや、ふすまの手をかけるところに描かれた沢鷹の紋(毛利氏の裏紋だそうです)小さなキラキラとした装飾が全体の印象を形作っているような感覚で見ていました。そんなお屋敷の途中に展示室があります。その日はひな祭りをテーマとした企画展も催されており、さすが大名のお姫様の持っていたもの。嫁入り道具から双六囲碁将棋のセットまで細かく、しかも素材もきちんと丁寧に作り込まれていて当時の職人さんのこだわりと遊び心も感じました。この博物館の中で一番印象に残っているのは「梅の花」最初に会った学芸員さんが教えてくれたのですが「奥様の部屋の前に来たら小窓と自分の目線を一緒にして外を眺めてみるといい」そうしてみたらどうでしょう、梅の花が真正面に来ました。その小さな窓から可愛らしく咲く梅の花が見えたのかと思うと、とても感動しました。建物と展示物と二つが楽しめる毛利博物館、その時代にここで生きた人が何を見たか知り、どう感じたか思いをはせるそんなひと時をいただきました。
おゆ (20代女性) 2017/4 掲載